紹介
19世紀から20世紀なかばまでの社会において、社会・文化・自然と身体のかかわりがどのように変化したのかを、さまざまな「マニュアル」の研究を通して、社会史ないし文化史のレベルで具体的に提示することによって、今日のわれわれの身体および身体を取り巻く生活空間にかかわる諸問題の本質を探る。
(目次)
序論――身体と環境をめぐるマニュアルの社会史(服部伸)
帝政期ドイツの民間人向けホメオパシー治療マニュアル(服部伸)
ドイツのホメオパシー患者向け雑誌にみるジェンダー化した健康相談(1880-2000) マルティン・ディンゲス(服部いつみ訳)
医説のアリーナ:天然痘対策マニュアルに見る近世日本の医療の言説 (香西豊子)
幸福なる理想の洗面台:大正から昭和初期の学校歯磨教練マニュアル (宝月理恵)
エネルギーと住まいの環境史―ヴァイマル期ドイツの家事マニュアル (藤原辰史)
垣根越しの「聖戦」―隣組マニュアルの世界 (佐々木啓)
より良き市民になるために――二〇世紀初頭アメリカ合衆国における優生学と女性 (小野直子)