目次
序---「フランスを問う」視点
Ⅰ
1 「イスラーム問題」の構築と移民社会――2015年パリ危機からその後へ
事件の衝撃と「私はシャルリ」
移民と第二世代の現在
「イスラーム問題」の構築と逆風
政治的ライシテと共生の危機
反ユダヤ主義をめぐって
対話ができるか---フランス人の宗教離れの問題
2 同時的に起こっているヨーロッパの危機と変動
3 ナショナルポピュリズムとそれへの対抗力――フランス大統領選の社会学から
Ⅱ
4 オリジンを問わないということ――フランス的平等のディレンマ
多様性、異質性のフランスから
宗教への距離
差異をどう扱うか
「国民的選好」の名による差別
公人たちの権利
「人」か「場」か
「外国人」から「移民」へ---視点の移行の意味するもの
移民第二世代にとっての問題
エスニック統計をめぐって
5 フランスの移民政策の転換――“選別的”政策へ?
グローバリゼーションのなかで
職種の移民の「継続的注入」
高度技能者の優遇へのかじ取り
「経済的移民五〇%」という目標
「選別なき移民」から「選別的移民」へ
統合を受け入れの条件に
国外退去者の増加
移民第二世代の労働市場上の位置
結語に代えて---問題
6 若者と移民第二世代の雇用と福祉
Ⅲ
7 フランス人とは何か――パトリック・ヴェイユを読む
「フランス人」の構築、脱構築
血統主義から生地主義へ
ヴィシーと「フランス人」
平等、統合---レイシズムに抗する
デラシネとしての移民? ――バレース、デュルケム再考、ノワリエルを通して
「生粋フランス人」対 移民
「恥ずべきオリジン」としての移民
「根こぎにされた者」、ユダヤ人など
デュルケムと「事件」
異質である者が生む連帯
中間集団が人を解放し、つなぐ
「ナシオン」の概念と変遷---移民の包摂、または排除
結び
あとがき
付録