目次
はじめに
序章 国際秩序と帝国の遺産[納家政嗣]
はじめに
1 人間集団の組織化
2 主権国家と帝国
3 英帝国と世界システム
4 帝国の遺産
おわりに
第Ⅰ部 帝国の適応
第1章 ヨーロッパ統合の展開と帝国の遺産[若林広]
はじめに
1 第二次世界大戦後のヨーロッパ統合の始動と戦間期の統合プラン
2 アフリカ旧植民地諸国関係の変遷
おわりに
第2章 ポルトガルの移民政策と旧植民地諸国[西脇靖洋]
はじめに
1 移民送り出し国時代のポルトガル
2 移民受け入れ国への変容
3 旧植民地諸国出身者に対する特別待遇
おわりに――経済危機とポルトガルの移民政策の行方
第3章 未完の東方問題[澤江史子]
はじめに
1 東方問題という視野
2 陸接帝国の近代的不安 ナショナリズムとの直面
3 主権を与える帝国権力とオスマン帝国
4 東方問題のなかのアルメニア人虐殺
5 東方問題における犠牲の序列――人道主義における他者
おわりに 終わらない東方問題
第4章 戦後日本と植民地主義/反植民地主義[宮城大蔵]
はじめに
1 戦後処理と植民地問題
2 「アジアの一員」か,「列強の一員」か
3 脱植民地化をめぐる「板挟み」と「追い風」
4 経済進出と反日暴動
5 ヴェトナム反戦運動での共鳴
6 サイゴン陥落と朝鮮半島
7 植民地独立付与宣言と日本の対応
8 沖縄への波及
おわりに
第Ⅱ部 帝国統治の継承
第5章 帝国の遺産としてのイギリス海外領土基地――ディエゴガルシアとキプロス主権基地領域を中心に[水本義彦]
はじめに
1 イギリスの脱植民地化政策と海外基地
2 帝国の遺産としてのディエゴガルシアと主権基地領域
おわりに
第6章 アメリカ覇権下の国際貿易体制とイギリス帝国の遺産[藤田泰昌]
はじめに
1 背景と問い
2 先行研究と本章の仮説
3 検証――英米交渉過程
4 考察――四つの仮説の信憑性を検討する
おわりに
第7章 世界保健機関による保健衛生秩序の形成――天然痘の撲滅と帝国医療[山越裕太]
はじめに
1 世界保健機関による天然痘撲滅活動
2 帝国の医療技術――乾燥ワクチン
3 帝国の医療戦略――巡回医療チーム
おわりに
第8章 「帝国」としてのアメリカ――その擁護論と批判者たちについて[島村直幸]
はじめに 「帝国」としてのアメリカ
1 「帝国」としてのアメリカをめぐる「四つの波」
2 冷戦後,1990年代のアメリカ帝国論の萌芽
3 2000年代のアメリカ帝国論と批判者たち
おわりに――アメリカの衰退?
第Ⅲ部 帝国領域における国家形成
第9章 英帝国の遺産と米国の中東政策[泉淳]
はじめに
1 第一次世界大戦後の中東――独立主権国家体制の登場
2 第二次世界大戦後の中東――米国の冷戦政策
3 中東における冷戦期秩序
4 冷戦期秩序の硬直性
おわりに
第10章 北東アフリカにおける脱植民地化と国際秩序の再編――イタリア植民地処理と地域対立の萌芽[眞城百華]
はじめに
1 北東アフリカの脱植民地化と国際関係
2 エリトリアの脱植民地化
3 ソマリアの脱植民地化
おわりに
第11章 カリブにおける帝国主義――反発から受容へ?[尾尻希和]
はじめに
1 分析の視点
2 ハイチ――世界初の黒人共和国の理想と現実
3 ドミニカ共和国――帝国主義の「模範生」としての理想と現実
4 キューバ――1959年「反帝国主義」革命の理想と現実
おわりに
第12章 南太平洋の脱植民地化とオーストラリア――拒否の戦略から建設的なコミットメントへ[永野隆行]
はじめに
1 脱植民地化と冷戦の影――西側利益の代弁者
2 動揺する域内秩序――地域覇権国の自覚
3 冷戦末期の新たな役割の模索
おわりに
おわりに
事項索引
人名索引
執筆者紹介