目次
序章 一九二七 --〈ぼんやりした不安〉再考
Ⅰ 美学イデオロギー
第一章 芥川龍之介とL・A・ブランキ『天体による永遠』
--〈政治の美学化〉あるいは〈監獄と詩〉をめぐって--
第二章 芥川龍之介とW・モリス『News from Nowhere』
--ポエット・エステティック・ユートピア--
Ⅱ 芥川龍之介と江口渙
第三章 江口渙/芥川龍之介論
--G・ジンメル受容を媒介とした〈理智〉〈傍観者〉分析--
第四章 江口渙『続わが文学半生記』の余白に
--G・ソレル『暴力論』とロープシン『蒼ざめたる馬』--
第五章 〈倦怠〉と〈永遠回帰〉をめぐる寓喩
--「永久に不愉快な二重生活」論--
Ⅲ 芥川龍之介と社会主義
第六章 汽車・〈不快〉・大衆 --「蜜柑」の射程--
第七章 〈中流下層階級〉というメタファー
--「大導寺信輔の半生」とG・ルカーチ『歴史と階級意識』--
第八章 「玄鶴山房」あるいは〈種-蒔く-人〉
--青野季吉と中野重治--
Ⅳ 〈芥川龍之介の死〉再考
第九章 昭和十年前後〈不安の文学〉をめぐる諸問題
第十章 〈シェストフ的不安〉と〈ぼんやりした不安〉
--遺稿「十本の針」が貫くもの--
終 章 ハイデガーと「羅生門」 --〈不安〉の行方--
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索引