紹介
●2030年度には13年度比で46%減らす
菅前首相は所信表明演説で「2050年までのカーボンニュートラル」を打ち出した。欧州ではコロナ禍をきっかけに環境対策をさらに進めようとする「グリーンリカバリー」が進み、米国でもバイデン氏の大統領就任によってパリ協定への復帰が見込まれるなかでの発表だった。出遅れた日本は、企業の対策も突然まったなしとなったわけだが、「2030年度には13年度比で46%減らす」目標が追加され、カーボンニュートラルに向けた動きは、さらにヒートアップしている。
本書は、こういった最新の動きを、考えの基本から実行の現場まで、体系的にまとめた1冊。
●企業向けに指南するシンクタンクの執筆陣
野村総合研究所のカーボンニュートラル戦略グループのメンバーが本書の執筆陣。各業界に精通した執筆陣が、なかなか表に出てこないカーボンニュートルに向けての取り組みをかいつまんで解説する。手短に全般的な知識がわかる本ではあるが、政府等のマクロ的な動きのみならず、企業等のミクロ面の動きにページを割いているのが本書の特徴です。
目次
第1章 カーボンニュートラルとは何か
(1)カーボンニュートラルの定義
(2)排出量はどのように測定するのか
(3)世界のCO2排出の現状と目標
(4)カーボンニュートラルにかかわる制度の変遷
第2章 カーボンニュートラルを実現する技術・ソリューション
(1)排出量可視化・管理のために
(2)現状の延長線上での排出量削減
(3)排出量削減のためのエネルギー転換
(4)カーボンオフセット
第3章 各業界への影響とその取り組み
(1)自動車
(2)鉄鋼
(3)化学・素材
(4)物流
(5)運輸
(6)農業
(7)街づくり
(8)エネルギー ほか
第4章 実現に向けた課題と対策
(1)業界による危機感の温度差
(2)時間軸でみる達成度
(3)各国との思惑との調整
(4)22世紀に向けて