紹介
パリ音楽院に学んだ3人の作曲家が、伝統的なコラール技法の概論と実習についてまとめた本邦初の書。作曲科受験生、学生、指導者必携。2014年(平成25年度)より東京芸術大学作曲科入試で出題されるコラール技法を学べる唯一のテキスト。
コラール技法はバッハの音楽における重要な作曲法であるのみならず、ルネサンス・バロック期の対位法から、通奏低音技法を介して古典派以降の和声法に移行する経緯を学ぶうえで必須という。
ソルフェージュ(視唱・聴音)、ピアノ初見視奏(スコアリーディング)、声楽・器楽アンサンブル、通奏低音法、音楽分析の教材としても最適。バッハからシェーンベルクにいたる音楽様式の理解にも必須。
課題は、パリ音楽院の作曲書法クラスに学んだ山口博史、林達也両氏の書き下ろし。パリ音楽院のコラール課題実施例も収録。概論と分析は、高音部記号と低音部記号による。実施篇・範例はハ音記号と低音部記号による4段譜。
目次
第1部 コラール概論
Ⅰ バッハのコラールについて
Ⅱ 通奏低音法について
Ⅲ バッハのコラール分析――《マタイ受難曲》より5曲のコラール
Ⅳ キルンベルガーによる、バッハ様式のコラール技法について
Ⅴ コラール技法の学習
第2部 実施篇
Ⅰ 書法上の留意点
Ⅱ 非和声音(和音外音、転位音)について
Ⅲ 和声の諸規則
Ⅳ 数字付き低音――12のバス課題付き
Ⅴ バッハのコラールの実例と分析――ブライトコプフ版《4声のコラール歌曲集》より10曲のコラール
第3部 コラール課題と範例(60題)
Ⅰ コラール課題
Ⅱ 範例集
Ⅲ パリ国立高等音楽院のコラール課題実施例(範例)