目次
序 太宰治の時空間
第Ⅰ部 揺籃期
第一章 「百姓」と「貴族」
コラム1 新出史料・津島家関係文書
コラム2 生い立ち
コラム3 津島家の女性たち
第二章 〈自尊心〉の二重構造
コラム4 回覧誌「星座」と阿部合成
コラム5 中学時代の直筆資料
コラム6 「青んぼ」の時代
第三章 〈放蕩の血〉仮構
コラム7 「細胞文芸」について
コラム8 草創期の映像文化
コラム9 新派・新劇の影響
コラム10 ノートの落書き――高校編
第四章 「哀蚊」の系譜
コラム11 浄瑠璃語りの影響
コラム12 習作期の詠草
第五章 津軽と東京と――〈二百里〉の意味するもの
コラム13 津軽文壇の状況
第Ⅱ部 『晩年』の世界
第一章 習作から『晩年』へ
コラム14 非合法活動
第二章 『晩年』序論
第三章 山中の怪異――「魚服記」論
第四章 回想という方法――「思ひ出」論
コラム15 文壇デビュー(1)――「海豹」前後
第五章 寓意とはなにか――「猿ケ島」「地球図」論
第六章 自殺の季節――「道化の華」論
コラム16 アンドレ・ヂイド『ドストエフスキー』
コラム17 「道化の華」四題
第七章 自意識過剰と「死」の形象
第八章 「小説」の小説――「猿面冠者」論
第九章 詩と小説のあいだ――「玩具」論
第一〇章 散文詩の論理――「葉」論
第一一章 『晩年』と〝津軽〟――「雀こ」ほか
第一二章 転向・シェストフ・純粋小説
コラム18 文壇デビュー(2)――「鷭」「青い花」
コラム19 「彼は昔の彼ならず」
コラム20 井伏鱒二との〝共働〟――ナンセンスの系譜
第一三章 〈嘘〉をつく芸術家――「ロマネスク」論
第一四章 現実逃避の美学――「逆行」論
コラム21 「陰火」――幻想小説としての「尼」
コラム22 演劇との関係(昭和三―一四年)
コラム23 『晩年』の刊行
第Ⅲ部 中期の作品世界
第一章 〝罪〟の生成――『晩年』の崩壊
第二章 「太宰治」の演技空間――「ダス・ゲマイネ」を中心に
コラム24 〝芥川賞騒動〟前後――佐藤春夫との関係を中心に
第三章 第二次“転向”の虚実――未定稿「カレツヂ・ユーモア・東京帝国大学の巻」を中心に
コラム25 キリスト教の受容
第四章 〈懶惰〉の論理――「悖徳の歌留多」から「懶惰の歌留多」へ
コラム26 荻窪というトポス
第五章 〈自己〉を語り直すということ――『愛と美について』論
コラム27 石原家
第六章 「生活」と「芸術」との齟齬――「富嶽百景」論
コラム28 美知子夫人と「太宰治文庫」
第七章 「女生徒」の感性
第八章 女がたり
コラム29 「千代女」と「生活綴方」運動
コラム30 映画とのかかわり
第九章 「小説」の条件――「女の決闘」論
コラム31 画家・版画家たちとの交流
コラム32 「善蔵を思ふ」と棟方志功
第一〇章 メロスの懐疑――「走れメロス」論
第一一章 太宰治と〝東京〟――「東京八景」を中心に
コラム33 「新ハムレット」の舞台化
第Ⅳ部 戦中から戦後へ
第一章 戦中から戦後へ
コラム34 戦争の影――三田循司のことなど
第二章 蕩児の論理――「水仙」「花火」
コラム35 二人の女性画家
コラム36 「右大臣実朝」――原稿を中心に
第三章 「津軽」の構造
第四章 翻案とパロディと――「新釈諸国噺」論
コラム37 『惜別』執筆関連資料から
コラム38 「お伽草紙」の本文
第五章 「八月一五日」と疎開文学
コラム39 「パンドラの匣」とGHQ
第六章 〈桃源郷〉のドラマツルギー――「冬の花火」と「春の枯葉」
コラム40 新劇とのかかわり――戦後を中心に
第七章 戦後文学と「無頼派」と
コラム41 戦中、戦後の三鷹
第八章 戦後の女性表象――「ヴィヨンの妻」を中心に
第九章 「斜陽」における〝ホロビ〟の美学
コラム42 「斜陽」執筆の背景
コラム43 伊豆というトポス
第一〇章 「悲劇」の不成立――「人間失格」論
第一一章 関係への希求――「人間失格」の構成
コラム44 信仰と文学と
第一二章 「人間失格」の創作過程
コラム45 草稿研究の課題
第一三章 最晩年の足跡
コラム46 「井伏鱒二」への想い
コラム47 「志賀直哉」への抵抗
コラム48 肖像写真