目次
序 章 中国の文明観と歴史認識
第一章 変転する文明観
はじめに
第一節 中華文明と西洋文明の接触
1 文明観の大転換
2 新たな文明モデルと新文化運動および五四運動
第二節 伝統中華と近代西洋の攻防
1 第一次世界大戦後の世界と中国
2 東西の文明に差異はあるのか
3 文明か文化か
4 文明と文化と社会
第三節 中国型近代化と西洋型近代化の選択
1 一九三〇年代の文化論争
2 出口を見出せない文化論
第四節 伝統中華文化の近代西洋文明への適合性
1 一九四〇年代の文化論
2 憲政をめぐる文化論争
第五節 社会主義文明観の変遷
1 毛沢東と鄧小平の時代
2 江沢民、胡錦濤、習近平の時代
3 学術界の反応
第二章 近代メディアと文明観・歴史認識
はじめに
第一節 近代中国のメディアと文明
1 近代中国におけるメディア
2 伝統中華文明と近代西洋文明のはざま
3 公共空間を生み出す検閲制度の不備
第二節 民国期のメディア界と文明論
1 メディア界の実態
2 公共空間と文明論
第三節 人民共和国のメディア界と文明論
1 共産党の民国期メディア界に対する認識
2 メディア界と公共空間と文明論
第四節 メディア界の公共空間と文明論を支える歴史認識
1 中国社会の発展をめぐって──民国期
2 中国社会の発展をめぐって──人民共和国期
第三章 国家の歴史認識を形作る革命史観
はじめに
第一節 近代化史観と革命史観の競合
1 共産党史に収斂される近代史
2 蔣廷黻の『中国近代史』
3 毛沢東が提唱した革命史観
4 范文瀾の『中国近代史』
第二節 革命史観に抗った近代アカデミズム
1 近代化史観に導かれる近代アカデミズム
2 西洋化の主張に映し出される歴史認識
3 民主と自由を求めた知識人
4 近代アカデミズムの「南遷」
第三節 革命史観の確立
1 知識人に対する思想改造
2 胡適批判運動の展開
3 「史学革命」と革命史観の確立
第四章 近代化史観の復権
はじめに
第一節 近代化路線がもたらす歴史観の転換
1 近代化路線への転換
2 中体西用か、それとも西体中用か
3 歴史学の再建と文明史観
4 近代化史観・文明史観による「被害」の歴史の相対化
5 愛国と歴史認識──孫文をめぐる論争
第二節 近代化史観とナショナリズムの衝突
1 ナショナリズムの変調
2 市民社会に欠かせない文明史観
第三節 日中歴史認識問題への挑戦
1 「日中友好」下の歴史問題
2 歴史認識問題に挑戦した知日派
終 章 文明観・歴史認識と中国のゆくえ
あとがき