目次
序 「科学・技術と社会倫理」の統合的思考を探る(山脇直司)
第1部 討論 科学・科学者のあり方とトランス・サイエンス
報告 科学と科学者のあり方(池内 了)
二つのテーマ/トランス・サイエンス問題/原発の反倫理性(犠牲のシステム)/反倫理性を内蔵する科学・技術/多数の受益者と少数の被害者/単純系から複雑系へ/確率統計現象/共有地の悲劇/科学とは別の論理が必要/科学者のあり方として/科学批判と提案/「等身大の科学」:具体例/科学者からの批判/オープンサイエンス/デジタル時代の新しい可能性
コメント1(野家啓一)/応答1(池内 了・山脇直司)
コメント2(島薗 進)/応答2(池内 了・山脇直司)
質疑応答(小林傳司・今田高俊・鬼頭秀一・小島憲道・平井俊顕・伊東俊太郎・竹内日祥)
第2部 教養教育の復権
近代哲学からSTSと公共哲学へ——教養教育のための一視角(山脇直司)
一「諸学問を統合する営み」としての近代哲学——その再理解
二 統一科学,一般システム論,STS——二〇世紀における専門知を統合する試み
三 公共哲学の統合学的転回・展開とSTS
四 教養教育のイノベーションのために
技術知と社会知の統合——専門家のための教養教育としてのSTS(藤垣裕子)
はじめに
一 後期教養教育とは
二 後期教養教育としてのSTS
三 具体的な教材
科学・技術システムと責任の問題(直江清隆)
はじめに
一 原発事故から垣間見える科学・技術の責任の問題
二 科学・技術の責任という概念の拡大
三 技術と社会の統合のための教養教育
知の構造転換と大学の役割(小林傳司)
一 知識の公共性と社会制度
二 何のための研究か
三 研究の多様性
四 大学の社会的責任
技術と社会の統合による教育(クラウス・マインツァー)
はじめに
一 日本とヨーロッパにおける教育と技術の変革
二 イノベーション力学と技術開発
三 教育的課題としての技術と社会の統合
第3部 倫理の新たな役割と展望
原子力時代における倫理概念の再構築——統合的観点から(山脇直司)
はじめに
一 ドイツのメルケル倫理委員会における包括的な倫理概念
二 「近代の未完の大きな物語」としての原子力
三 公共倫理の統合論的再構築
科学技術の不確実性とその倫理・社会問題(鬼頭秀一)
一 はじめに——原子力問題が提起するもの
二 不確実性という問題——今までの議論の中から
三 不確実性の問題——古典的な問題としての「工学
四 「不確実性」問題再論——その倫理・社会問題
五 「不確実性」のマネジメントと社会的コントロールの可能性
六 終わりに
特 論 統合学の意義(竹内日祥)
エピローグ(山脇直司)