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興亡の世界史 大英帝国という経験 (講談社学術文庫)

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出版社: 講談社
文庫: 432 ページ
ISBN-10: 4062924692  ISBN-13: 9784062924696  [この本のウィジェットを作る]

紹介

「アメリカ植民地の喪失」が大帝国への第一歩だった。移民と奴隷貿易、ヴィクトリア朝を彩る娯楽、観光、博覧会。解体と再編の歴史。
アイルランドから、アフリカ、インド、香港まで、世界にその足跡を残した大英帝国。大陸の片隅の島国は、いかにして大帝国へと発展し、女王ヴィクトリアが治める最盛期へと至ったのか。「アメリカ植民地の喪失」をステップとし、多くのモノと文化と娯楽を手に入れ、女性たちが世界を旅したこの国は、なぜ、他国に先んじて奴隷制度を廃止することができたのか。解体と再編の歴史から、EU離脱に揺れるこの国の現代をも読み解く。


講談社創業100周年記企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第3期の4冊目。
アイルランド、インド、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、中東、香港……世界中いたる所にその足跡を残した大英帝国。この拡大は、紅茶や石鹸などの生活革命を世界的に広める一方で、時には深刻な問題の種を植民地に蒔く結果ともなり、その影響は現代にまで及んでいます。大英帝国を知ることは「今を知る」ことに他なりません。スコットランド独立やEU離脱をめぐる議論の際にも垣間見える、現代イギリスの国民性は、輝かしいヴィクトリア女王の時代に象徴される「大英帝国」という経験と不可分の関係にあります。
 これまでイギリス史のうえで「例外的なエピソード」として捉えられてきた「アメリカの独立」についても、著者は、むしろこの「アメリカ喪失」という経験こそが、のちに未曾有の発展を遂げる大英帝国の基礎になった、と述べています。保護貿易から自由貿易へ、奴隷貿易の支配者から博愛主義の旗手へ――変容を遂げた帝国の内実を、交易されるモノ、ミュージック・ホールなど都市の娯楽、世界を旅する女性たちの人生など、さまざまな観点から描き出します。
 また、21世紀に入り、「奴隷貿易の支配者」であった過去をどのように捉えるか、イギリス国民の間で議論が沸騰しています。欧米諸国に先んじて奴隷制度を廃止したこの国では、どのような人びとの努力で、奴隷廃止に至ったのでしょうか。ブリストルが誇る慈善家、エドワード・コルストンの銅像に書きつけられた、ある落書きの衝撃とは?
[原本:『興亡の世界史16 大英帝国という経験』講談社 2007年刊]

目次

はじめに
第一章 アメリカ喪失
  ローマ帝国の衰亡とアメリカ喪失 
  「イギリス人」だったアメリカ人 
  アメリカ喪失の教訓 
第二章 連合王国と帝国再編
  問い直される愛国心 
  スコットランド帝国という幻想 
  ジェラルド・オハラの青春 
第三章 移民たちの帝国
  アメリカ喪失と移民活動の再開
  「帝国の時代」のカナダ移民 
第四章 奴隷を解放する帝国
  奴隷貿易の記憶│共犯者としての帝国 
  奴隷貿易廃止運動の諸相 
  よみがえる奴隷貿易の記憶 
第五章 モノの帝国
  紅茶の国民化――女性、家庭、そして帝国
  巨大睡蓮と万博
  モノたちを見せる帝国
第六章 女王陛下の大英帝国
  女王・帝国・君主制
  女王陛下の要請によりて
第七章 帝国は楽し
  大英博物館はミステリーの宝庫
  ゴードン将軍を救出せよ│観光と帝国
  ミュージック・ホールで歌えば帝国も楽し!
第八章 女たちの大英帝国
  女たちの居場所
  帝国に旅立つ女たち
第九章 準備された衰退
  女たちの南アフリカ戦争
  子どもたちの堕落をくい止めよ!
  日英同盟の顛末
第一〇章 帝国の遺産
  イラクに迷う大英帝国
  帝国の逆襲?
おわりに なぜ今われわれは「帝国」を語りたがるのか
学術文庫版へのあとがき
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