目次
●序章 現象学の出発の立場
・1 意識に向けられた存在の問
・2 志向性のイデーと明証理論
・3 時期的区分の試み
●第1章 前期現象学の方法と立場
・1 「イデーン」期までの現象学的構造の展開――カントへの接近とゲッチンゲン学派の離反――
・2 「イデーン」期の現象学的方法――デカルトに沿うて――
1 自然的態度の克服の方法――現象学的エポケー――
2 純粋意識の獲得の方法――現象学的還元
3 志向的分析論の方法――現象学的反省
・3 「第一哲学」における構想の挫折と転回――デカルトから離れて――
1 哲学の「始まり」のイデー
2 非デカルト的方途へ
●第2章 発生的現象学とは何か
・1 発生的現象学の方法――意味の歴史――
1 科学的対象より経験的対象への帰行
2 イデアチオンの方法と自然的世界概念
3 「手引き」の方法
・2 受動性の現象学――経験の分析――
1 先コギトからコギトへ
2 知覚における地平の現象
3 直観の2つの統一
・3 現象学的世界論――根源的自然の発見
1 世界地平
2 世界存在
●第3章 人間存在の問題
・1 人間的主観性の構成――人間と理性のパラドックス――
1 自然と精神
2 人格と他者
3 身体の二重現象
・2 超越論的主観性の匿名性――意識と実存――
1 自然的態度の再検討
2 超越論的事実性とハイデッガー
●第4章 現代の現象学的存在論の問題
・1 「危機」の科学批判――ガリレイへの断罪――
・2 理性の形而上学――フッサールとヘーゲル――
・3 生活世界の問題論――メルロ・ポンティ、シュトラッサーの所論とフンケの反論――
●第5章 最後の思想的境位
・1 絶対的自我と生ける現在――2つの「いま」――
・2 生ける現在のアポリア――反省の挫折と弁証法――
・3 邂逅の現象学