目次
はじめに――奇跡から必然へ
Ⅰ 出発からインド洋中央海嶺まで
1 旅立ちまで
大勢に見送られての船出/地球の大きさを感じたい/日本の海洋調査観測/技術を世界に/2010年10月@ロンドン/そうだ,南半球の深海に行こう――ブラジル・ニュージーランドの研究者との熱い一夜/ドリーム・カム・トゥルー‼ しかし金の切れ目が縁の切れ目?
コラム1 「しんかい6500」を研究に使うには?
2 インド洋の極限環境生物
インド洋中央海嶺の熱水活動域/生命の起源は深海熱水環境にあるのか?/カイレイツノナシオハラエビとスケーリーフット/スケーリーフット空輸作戦
Ⅱ ブラジル沖航海
3 大洋を分ける岬――喜望峰とケープタウン
大洋を分けるもの/喜望峰/ケープタウン
4 南大西洋に潜航する――ブラジル沖航海調査
ケープタウン出航まで/金比羅/1時間半の自己紹介/サプライズ/南大西洋の歴史と特徴/リオグランデ海膨八景/サンパウロ海嶺遠望/潜航しなければわからない
5 鯨骨生物群集とホネクイハナムシ――サンパウロ海嶺
地球深部の岩石が崖をつくる?/サンパウロ海嶺に潜航する/第3の化学合成生態系/鯨骨生物群集発見!/4000メートルの水深を超える伝言ゲーム/クジラの頭骨化石発見!
6 「アトランティス大陸発見⁉」――リオグランデ海膨
リオグランデ海膨にもどる/首席研究員はオーケストラがお好き/夜明けの密談/「深海サンゴ」の森/ポックマークにうなぎにょろにょろ⁉/アトランティス大陸⁉
7 リオデジャネイロ入港――ダーウィンのビーグル号体験とブラジルの研究者に学ぶ
さあ,リオだ!/リオで待っていたもの/記者会見,そしてアトランティス騒ぎ/リオデジャネイロのダーウィン/ブラジルの研究者たち/航海を組み立てる
8 メタン湧水に群がる生物を夢見て――サンパウロ海台調査
メタン湧水を探そう/スペシャリスト集団/なぜか「ベタ凪」/新しいハビタットの発見⁉/グランドフィナーレ@サントス・サンパウロ・ブラジリア
コラム2 深海生物研究ことはじめ
Ⅲ カリブ海・トンガ海溝・ケルマディック海溝航海
9 世界最深の熱水活動――カリブ海,ケイマン海膨
カリブ海とはどのようなところか/カリブ海の熱水生物群集はなにが面白いのか?/「しんかい6500」潜航同時中継
10 オハラエビ――赤外線センサーをもつハイテクエビと熱水生物地理
オハラエビ/カリブ海のオハラエビはどこのオハラエビと近縁か?/東太平洋との類似性は? 研究の進展は?
コラム3 真の深海生物研究ことはじめ
11 古代生物の隠れ家?――世界で1番深いマリアナ海溝チャレンジャー海淵
太平洋にもどる/太平洋の地形/マリアナ海溝チャレンジャー海淵/なぜ海溝を研究するのか?/チャレンジャー海淵でわかっていること/チャレンジャー海淵で生物活性を実測する/超深海は古代生物の隠れ家?/いざ,トンガ海溝へ
12 トンガという国と深海資源
トンガとは/在トンガ日本大使/トンガ海溝調査/トンガの海/トンガ海溝はどうしてこんなに深いのか/ランダーによる観測/ホライゾン海淵の地形調査/二つのランダーは何を見てきたか?/採ったぞーっ‼/トンガ海溝の成因に迫る/ヌクアロファでの一般公開
13 新しくできた海山と熱水生態系――ケルマディック海溝に沈み込む海山群
海溝を分けるルイビル海山列/海山の生態系/ケルマディック海溝付近の海山をどう攻めるか?/天候との戦い/海山生態系とEBSAs/ニュージーランドの海洋生物資源保護/オークランドでの一般公開/「よこすか / しんかい6500」帰国
コラム4 日本の深海研究
Ⅳ エピローグ
14 深海の多様な生物たちは何を語ってくれたか
4万キロの航海で見えてきたもの/同一環境には同じ機能をもった生物が/距離の離れた同一環境にまったく同じ種はいない/地球の歴史が生物の分布に関係する/景観としての生息場所/深海生物生態系は壊れやすいのか?――EBSAs 再び
15 改めて,日本の海と生物を見直す
活動的な縁辺海域であること/日本近海はよく調査されている/景観としての日本の海と生物
16 血沸き肉躍る冒険的な航海が必要だ!――フルデプス有人潜水船で世界を先導する
「しんかい6500」世界一周航海を引っ張ったもの/「しんかい6500」から「フルデプス有人潜水船」へ/ハイテク時代でも五感は大事だ/「フルデプス有人潜水船」
おわりに