目次
第一章 起源の無意識──帰りたければ、帰ってきてもいいのです──
1 異国への帰郷──フロイトとゴダール
2 虫かごの帰宅──映画「おかえり」に寄せて
3 メロディーとの再会
4 幻の声を聞く
第二章 痛みの無意識──そういうものにわたしはなりたい──
1 宮沢賢治におけるサド的世界の可能性とその彼岸
2 絵を描くフロイト、絵を見るフロイト
3 ポール・デルヴォー、夢と欲望の孤独
4 ロベルト・シューマン、沈黙と幻聴
第三章 凝固する無意識──子供時代は、もうない──
1 作品たちの恥じらい
2 描画状況における主体
3 夢と無意識の欲望
4 夢の〈死体〉の静けさについて
第四章 彼岸の無意識──そがありけむあたりに、われきたるべし──
1 乳房の倫理学──メラニー・クラインの精神分析
2 分裂病と他者の欲望
3 精神分析の内景
4 汀のできごと
エピローグ ジグムント・フロイトの浦島太郎体験
参考文献
あとがき
初出一覧