みんなの書評

さんの書評2018/01/04

やや古い本だが、キャリアオイルのプロフィールが整理されていて実用性が高い

精油の事典はやまのようにあるが、キャリアオイルの本はほんとうに少なくてアマゾンでも数冊しかヒットしない。
本書はそんな希少なキャリアオイル専門の事典である。
出版は初版が1990年とずいぶんと古いが、44種類の植物油それぞれについて、植物、抽出法、成分、効用、調理法について記されていて、プロフィールの体をなしているので事典としての実用性が高い。
とくに効用については、外用と経口摂取を区別し、根拠となる出典も明記されているのが類書との違いだ。
なにぶん古いので、最近流行のアルガンオイルなどは書かれていないのは仕方ないが、伝統的な定番のオイルははいっているので十分に使えると思う。
参考までに掲載されているオイルを列挙しておく。
・アーモンド(スィート)
・アプリコットカーネル
・アボカド
・イブニングプリムローズ
・ウィートジャーム
・ウォールナッツ
・オリーブ
・力スター
・カメリーナ
・カレンデュラ
・キャロット、ワイルドキャロット
・ククイナッツ
・グレープシード
・コーン
・ココアバター
・ココナッツ
・コットンシード
・サフラワ一
・サンフラワー
・シシンプリアム
・セサミ
・セントジョーンズワ一卜 (別名ハイペリ力ム)
・ソヤ
・タマヌ
・チェリーカーネル
・パームカーネル
・ハイドロコタイル
・パッションフラワー
・パンプキンシード
・ピーチカーネル
・ピーナッツ
・ピスタチオ
・へーゼルナッツ
・へンプシード
・ホホパワックス
・ポラージ
・マカダミア
・メドゥフォーム
・ライスプラン
・ライムブ口ッサム
・リンシード
・レイプシード
・ローズヒップ
以上

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さんの書評2018/01/02

大枚はたいて入居した終の棲家から放り出されないために

2000年に介護保険法が成立して約20年が経過し、雨後のタケノコのごとく増えた介護事業者がいま、バタバタと倒産、廃業しているそうだ。
その数、おととし(2016年)は1000件を超えたとのこと。
素人が金儲けで介護ビジネスに参入したはいいが、予想外に厳しいビジネスで持ちきれなくなって放り出すらしい。
全財産をはたいて入居した「終の棲家」が突然なくなってしまうことのないように、どうすれば潰れない介護事業者を選ぶことができるか、というのが本書のテーマである。
これまで関心がなかったので、たとえば有料老人ホームは厚生省管轄、サ高住は国交省管轄など、まったく知らなかったことが多くてたいへん勉強になった。
介護が労働集約型サービスであるかぎりは、奴隷でも使わないかぎり大儲けはできない。
だから、外国人労働者を・・・という話になるのだろうが、入居者も介護スタッフも、どちらもバカにした話である。
いちばんたいせつなのは介護スタッフの質と量、ということだが、見極めは難しそうだし、ビジネスならばいい人材を確保するにはそれなりの人件費がかかるのは自明の理なので、結局は、介護の沙汰も金次第、ということになりそうだ。
鈴木大介氏の『老人喰い』では、オレオレ詐欺は裕福な老人に対する貧困な若者の経済ゲリラだ、という主張があったが、一見裕福にみえる老人たちも良い老人ホームに入ろうと思ったら貯金が5000万あっても足りないくらいだとすると、決して安穏のしているわけではない。むしろ命がかかっているという切実さは老人のほうが強いだろう。
若者も老人もすくわれない。なんだか、社会全体の歯車が狂ってしまったような、妙な徒労感を覚えた。

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さんの書評2018/01/01

歴史、教義、診断、治療、薬草ときちんと体系づけられた本格的な教科書

体裁はイメージ写真を多用した雑誌のようなゆるい印象だが、中身は歴史、教義、診断、治療、薬草ときちんと体系づけられたアーユルヴェーダの本格的な教科書である。
小さいが400ページもある分厚い本で、しかも解説にもほとんど冗長さがないので内容はたいへんに濃く、これを全部理解するのはたいへんだろうな、と思う。
本書を読むと、医学は自然(あるいは宇宙)の一部としての人間存在への理解の仕方と密接に関わっていて、本来的に切っても切れないのだということが良くわかる。
そこが医学が「教義」たる所以であり、また迷信やオカルト、インチキとの接点にもなる。
近代医学は誰にでも検証可能な科学的正しさのみを「教義」にすえることで、確実に治せる方法として発展し、人類に貢献した。
しかし、治しはしても癒しはしない。
しかも、人には寿命があるから、いつかは治せない病気になる。
近代医学には科学以外の教義がないから、治らない患者を救うすべはない。
そこが「教義」から人間存在への理解を外してしまった近代医学の限界だろう。
一点、アーユルヴェーダの古典について疑義があり、紀元前800年のアートレーヤ、紀元前700年のチャラカ、紀元前600年のスシュルタ、という記述は類書と全く異なる。どれが正しいのかよくわからないので、もう少し調べてみたい。

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さんの書評2018/01/01

デッカード自身がアンドロイド?

35年ぶりの映画『ブレードランナー』の新作を見て、やや違和感があったので、原作にあたってみました。
恥ずかしながら、ブレードランナーの原作を読むのはこれが初めてです。
文庫でも300ページを越えるかなりな長編ですが、物語の設定と展開はいたってシンプル。
内面の描写に多くを割いている分、哲学的な香りの高い作品です。
タイトルの「電気羊」とはロボットのペットのこと。
核戦争後の生き物が絶滅しかかっている世界では、人々はほんもののペットを容易に飼うことができず、ロボットのペットに癒しを求めている。
アンドロイドという「ロボット」も人間とおなじようにロボットのペットに癒しを求めるのだろうか、という問いの意味は難解で、にわかに納得のいく答えは見つかりません。
しかし新作映画との関連でいうなら、その答えは「YES」で、そこから新作映画の物語が始まります。
ともあれ、原作と新作映画のテーマは違うということはわかりました。
デッカード自身がアンドロイド?というシーンは原作にもありましたが、まあ、そこは物語を面白くするための仕掛けでさほどの意味はない。
というよりも、原作のテーマはそこにはまったくない。
それがわかっただけでも収穫でした。

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さんの書評2017/12/31

2016/12/05 読了。

2016/12/05 読了。読みたい本がまた増えてしまった。ちなみに、本書で1冊だけ自分も読んだ作品「第三帝国の愛人」が取り上げられていて興味深かった。閑話休題。受刑者はノンフィクション作品を好むとの事。最近やはりノンフィクション作品ばかりを推す某番組推薦図書コーナーに失望したのだが、極論を言ってしまうと“ノンフィクション好き=マチズモ”はあながち間違いと言えないのではないか…輩は“フィクション作品=軟弱”と下に見る様な、そんな無意識の偏見を持っている気がしてならない。また、本書では「文芸作品をよく読む人は、ノンフィクションの読者や、あるいはなにも読まない人に比べて、共感力や社会適応力がすぐれていた~」との研究グループの調査結果を紹介していて、映画のフィクションは楽しめても本のそれは楽しめないという人達の障壁が想像力の欠如に他ならないのだと理解した。…翻って、ぼくの読書履歴を見て頂きたい。こんなにロマンチで博愛精神に満ちた男が他にいるだろうか…?

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さんの書評2017/12/30

いったいどうやって、人は時の流れを知覚するのか

あっというまに一年が終わる、というのは年齢を重ねると誰もが経験することですが、その答えが書いてあるのかと気軽な気持ちで手に取りました。
しかしこの気軽な問いへの答えは実に奥が深くて、正直、面食らいました。
本書で指摘されて初めて気づきましたが、「時間」を検知する感覚器は人間にはありません。
時が流れるといっても、光や音、匂い、味、温度、圧力、重力などと違って、物理量を測っているわけではない。
となると、いったいどうやって人は時間(の経過)を知覚しているのか。
本書はこの問いへの答えを物理学、生理学、実験心理学、社会学、経済学など幅広い学問分野の研究成果を紹介しながら解明していこうとします。
ひとつひとつのトピックは興味深く、知らないことばかりでたいへん勉強になりました。
が、シンプルに「どうして、年を取るとあっというまに一年が終わるのか」について、納得いく解はなし。
ひとつだけ、しょっしゅう時計をみていると時間が遅く感じる、という実験結果があって、著者によればこれがいちばん近いんじゃないか、ということです。
こどものころは待ち遠しいイベントがたくさんあるので時間の経過を遅く感じる。
おとなになると、そういう楽しいイベントはたくさんはないので、その分時間の経過を速く感じる。
そういうことのようです。
しかし、これにしても時間経過のレンジはせいぜい一日、一週間、ひと月くらいでしょう。
まさに「あっ」というまに一年が終わる、という感覚の説明には、もうひとつ何かが物足りない気がします。
とはいえ、たとえ寿命が伸びても、一年一年が一瞬で終わってしまうなら、意味があるとは思えません。
試しに、来年はカレンダーにできるだけたくさん、楽しいイベントを書き込んでみようかな、と思いました。

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さんの書評2017/12/23

日本文化歴史信仰についての総合的理解促進

筆者研究会公式サイト https://projectkyoto.jimdo.com/
日本文化歴史信仰についての総合的理解を促進し、国内外にその価値発信を目的とする。
そのため、対象とする時代は縄文から近代まで、分野は、考古学、日本語文字、日本神話と神道はもとより、仏教・儒教をその起源と我が国における変化・影響をたどり、伝統工芸、日本絵画、芸能・書道など諸道との関連に言及した。 
また、精神文化としては、モノとタマ、もののあはれ、観音・不動・地蔵信仰、無常と自然法爾、禅、わび・さび、義理と人情、などを網羅した。  
特に京都大学に連なる名誉教授の「思想・哲学・文化論」などのご見識を根拠とし、かつ、「粋」「甘え」「中空」構造を飛躍した総合的構造論を以って、はじめて日本文化の総合的
本質、真意解明に取り組んだ。書籍タイトル 「自然の構造」 の 「自然」を いかに読むか?
互いに日本人として、読者や出版社のご評価・見識にとって、その読み、解釈から、すでに有効に機能しており、また今後、国家として問われることになる。

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さんの書評2017/12/23

日本文化歴史信仰についての総合的理解促進

筆者研究会公式サイト https://projectkyoto.jimdo.com/
日本文化歴史信仰についての総合的理解を促進し、国内外にその価値発信を目的とする。
漆と粉の歴史、漆芸修復の文化的価値を筆頭に、対象とする時代は縄文から近代まで、分野は、考古学、日本語文字、日本神話と神道はもとより、仏教・儒教をその起源と我が国における変化・影響をたどり、伝統工芸、日本絵画、芸能・書道など諸道との関連に言及した。 
また、精神文化としては、モノとタマ、もののあはれ、観音・不動・地蔵信仰、無常と自然法爾、禅、わび・さび、義理と人情、などを網羅した。  
特に京都大学に連なる名誉教授の「思想・哲学・文化論」などのご見識を根拠とし、かつ、「粋」「甘え」「中空」構造を飛躍した総合的構造論を以って、はじめて日本文化の総合的
本質、真意解明に取り組んだ。書籍タイトル 「自然の構造」 の 「自然」を いかに読むか?
互いに日本人として、読者や出版社のご評価・見識にとって、その読み、解釈から、すでに有効に機能しており、また今後、国家として問われることになる。

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さんの書評2017/12/091いいね!

読む人を選ぶ傑作

最近「モラハラ」が個人的にhot topicであり、たまたまこちらの本にたどり着いた。

ストーリー展開も良く、一気に読み終えた。
昨今、職場や家庭で問題となっている「モラハラ」と、この物語の中で起こっていることを単純に比較は出来ないが、根本は同じだと感じた。人の自尊心を麻痺させ狂わせ、支配する。

60年も前のフランスのフィクション作品を通して、人の心理構造は未だに変わっていないことを学んだ。とても60年以上も前の作品だとは思えない、妙な新鮮さがあり恐ろしくなった。

ここ数年で読んだ本の中で最もインパクトの強い作品だったかもしれない。単にバイオレントな表現が含まれるからというわけではない。そこは正直どうでも良い。とにかく主人公の心情描写が非常にリアルで、印象的だった。

後味は良くない。というか、相当悪い。読み返したくはないが出会えて良かったと思える1冊。

※澁澤さんの訳がきれいで、性描写部分も一切不快感がなかったのも素晴らしい。

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さんの書評2017/11/11

医学常識はウソだらけ(図解版)

医学常識はウソだらけ(図解版)

健康の重要な要素、病気の予防はこの著者三石巌によれば①高タンパク質 ②メガビタミン ③スカベンジャーである。
個人的には納得できる部分もある。
現在の医学は対処療法であり、実際にはその副作用も多く、高血圧やコレステロール値による未病の提示など曖昧な表現を嫌う著者はバランスが良い食事などを避けつつ、どのようにすればよいのかを記載している。
実際に薬学を勉強してきたのでこれらの部分に対する著者の主張は良くわかる。
また①についてもその通りであると思う。活性酸素の除去がベースになるものよくわかる。
但し、②は良くわからない。
どのような状態がメガビタミンなのか?まさに曖昧である。
ビタミンについては水溶性、脂溶性があり中毒症もあることはこの著者であれば存じているはずだがそれについての記述は見当たらなった。(図解版だからか?)
ビタミン至上主義者はビタミンの効用について、どのように実験された結果なのかを知らないのでその点は論じるべきだと思った。
例えば、ビタミンCの抗酸化作用を発揮した実験はすべてin vitro(つまり、人体ではなくシャーレの上)でありが、実際、ビタミンCが効力を発揮するのはミトコンドリア内においてであり、そこに至って初めて抗酸化作用(活性酸素除去)を示す。
しかし、経口摂取したビタミンCがそのままミトコンドリアに取り込まれている証拠は現在、ない。ビタミンEについても同様である。
また③スカベンジャーとした抗酸化作用を有する食品に含まれる抗酸化物質も同様である。ワインは身体に良いとした論文はすべて西洋人を使用した実験(しかも、統計学的に結論されたもの)であり、スカベンジャーの効用もin vitroである。
それらを奨励するのはあまり関心はしない。
また分子量が大きいこれらの抗酸化物質を分解したものを摂取するように勧めているが、それでは抗酸化を示すのであろうか?
大筋は納得できるが、細部に疑問を抱くものであった。

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