みんなの書評

さんの書評2016/11/213いいね!

癌と戦っている方、支えている周りの方に読んでほしい1冊。


身内に癌になった者がおります。
その事がきっかけで、癌の事を調べたりするようになりましたが
そもそも、癌についての基礎知識がないので、調べていて怖くなる事が多い。
まず、最低限の基礎知識が欲しい。
基礎知識もないのに、判断しようとする事ほど、危ない事はないと思う。
特に、治療の為に抗がん剤を使ったら、数日後には亡くなってしまった、なんて内容を読んでしまうと、怖い。
身内の治療のメインが、抗がん剤だからです。
抗がん剤って、治療に必要だから投与するんでしょ!?
抗がん剤って患者さんを殺す為なの!?
・・・なんて、不安になりましたが
今回ご紹介する、癌と長い事戦って完治した歌手、より子さんは
何度も抗がん剤を受けて、完治しました。
まさか、今の状況になるとは思わずに、10年以上前にこの本を読んでいましたが
読んでいて良かったなーと思います。
本人も、最近起きた、事件の事もあり抗がん剤を怖がっているので
この本を本人に貸してあげたいのですが、私が「ここにある筈」と思っている所にあるとしたら、出すのがかなり面倒くさい。
でも、なるべく早く、本人に渡そうと思っています。

身内は、希少癌です。
症例自体が少ないので、データも少ない。
希少でない癌と、希少な癌の違いも、そもそも分からない。
身内と同じ癌と戦った方の本はありますが、私の調べた限り、闘病記を出版されている方は、亡くなられています。
ご冥福をお祈りします。
身内が患った癌になって亡くなられた方もいますが、完治して、元気に過ごしている方もいます。
身内は幸い、早期発見する事が出来たので主治医からも「完治できるよ」と言われています。
悪魔でも可能性が高い、に留めた方がいいと思うので、その身内が「完治した」と診断されるまで
しょっちゅう笑わせに行こうと思います。

希少癌ではありませんが、癌と戦い治した方のお母さまと本人の著書です。
歌手よりこ。さんの本です。
著書の大半は、お母さまから見た、より子さんや
お母様と、より子さんの周りの人達の様子が、描かれています。
章毎に、より子さんの絵とエッセイも掲載されています。
最期の方では、10ページ程だったかな?という位の、より子。さんのエッセイも載っています。

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さんの書評2016/10/212いいね!

ユーモアと優しさは、世界平和に繋がっている!


読んでいる最中、正直思った事は「どうして自分に害を与えた人を、助けてあげなくちゃいけないの?めんどくさい。」と、思いました。
と同時に、この本に書かれている事は、誰もが実践できる事だけれど、人によっては強い抵抗感を感じる人もいるだろうし、何より、優しさと強さと広い心が必要だと思いました。
この本に書かれている方法は、読む以前から、自然と実践していた方法もありました。
他に以前、人からされて凄く不快感を感じた方法が、相手と言葉遊びをする事に繋がる事を、新鮮に感じました。
攻撃的な方法を取らずとも、嫌な人・苦手な人に対する世界平和にも繋がる対応を提示してくれる内容です。
こちら、日本では新鮮さのある方法ですが、原著を出版しているアメリカでは、著書で提示している方法がどの程度浸透しているのかが、気になりました。
監訳者・奥田さんが参加されていた国際的なシンポジウムの書籍コーナーで販売していたのを手に取ったのが始まりだと書いてあるので
日本では馴染みなくとも、アメリカではある程度ポピュラーな考え方なのだろうか?と、思いました。

私自身も、いじめは経験しています。
この著書の方法で対処できるような、言葉による暴力を受けた事もありますが
一切証拠が残らない、陰湿ないじめを受ける事の方が多かったです。
後者のパターンの場合、残念ながら、著書の方法で打開する事は難しいと思います。
対処できる状況は限られますが、著書に書いてある方法を知っているか知らないか?で大きく違ってくるのは確実だと思います。
少人数の人でも、「いじめられっ子の流儀」に書かれている事を実践する事によって、いじめられっ子もいじめっ子にも、ポジティブな変化が生まれます。

著書に書かれている方法は、対処できる状況は限られますが、子供だけでなく、大人の世界でも通用する方法です。
読んだからと言って、すんなりできる人と、そうでない人といると思いますが、「いじめられっ子の流儀」に書かれている方法がある事を知るだけでも、損はないと思います。

今回、こちらの著書を読んでいて
「言葉」の持つ力の大きさは、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも、強力である事を改めて知りました。
深刻に捉えられるいじめが、ちょっとのユーモアで自分を守り、同時に、いじめっ子を助けられる事にも繋がる事になる場合もある事を、知りました。

「いじめられっ子の流儀」を読みながら思い出したのが、従姉がいじめっ子に取った対応。
従姉が中学生の時です。
従姉はとても美人だったので、やっかまれる事が多く、苦労していました。
そんなある日、従姉のクラスメイトが、従姉の身振り手振りを、真似してきたそうです。
従姉にとっては、うざい以外の何ものでもない。
けれど、そのウザいクラスメイトに対して従姉が取った行動は、ケイト・コーエン・ポージーさんが提唱する方法に沿っている方法ではないかと、思っています。
従姉は、自分の身振り手振りを真似してくる、うざいクラスメイトに真正面から向き合うと、指で鼻を押し上げて「やれるもんなら、やってみろ!!!」と言ったそうです。
美人なのにぃ~・・・と、同時に、美人な従姉が豚っ鼻をしたからこその迫力も、凄まじいはず。
ケイト・コーエン・ポージーさんが著書で示している例えがとても優しいので、随分と毛色が違う対応に思えますが
多分、そんなにズレてもいない対応ではないかと、思います。

そして最後に、翻訳に関する責任は全て自分にあります、と明言されている事と
「本当は自分で書きたかった」と仰っていますが、「いじめられっ子の流儀」の原著を踏まえて、奥田さんテイストでご自身名義の著書を出版する事も可能なはずなのに、そんな事はせず、この著書を監訳して出版された奥田健次さんをカッコいいと思いました。

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さんの書評2016/10/193いいね!

「相手の言うことを否定しない」「褒める」

16:住宅ローンは完済したし、子育ても終わった。毎日食べるだけのお金があればいいわけですから。再就職して安月給で働けば、ボケ防止にもなる。老後に必要なお金は限られているから、パートや再就職して生活費を稼げばいい。過ぎてしまったこと、取り返しの付かないことをいつまでもくよくよしない。
18:老後資金数千万円に惑わされない。「無い袖は振れぬ」「足るを知る」それでやっていくしかない、と腹を決める。それなりのやりくり、暮らし方を身につけていく。老子「足るを知る者は富む」
20:癌の克服者は、ポジティブシンキングに転換している。「髪が無くなって悲しい」ということにとらわれず「いろいろな帽子がある」という小さな発見を喜びにしておしゃれを楽しむ。「青い鳥」の戯曲では、更に先があり、大喜びしていると青い鳥はあっという間に飛び立ってしまった。身近な小さな幸せがいかに大切なものか。温かい食事、毎日お風呂。「他者を幸福にすることが、一番確かな幸福である」アミエル。仏教「無財の七施」①眼施:優しい眼差②和顔施:嫌なときこそ笑顔③言辞施:優しい言葉。激昂禁物④身施:身体を使って。⑤心施:共感寄添察し。喜びは2倍、悲しみは半減。⑥床座施:場所提供⑦房舎施:家提供。三なし(無理、無駄、無精)トマス・フラー「結婚前には目を開き、結婚後は目をつむっていること」49:ポイントは2つ①「相手の言うことを否定しない」「褒める」反論したくなってもぐっと押さえて「そうだね」56:いくら倹約しても若さはお金では買えません。
68「一病息災」ちょっとした病気があるくらいのほうが身体に注意するようになるため、無病より長生きする。69人は一人で生まれ、死んでいくもの、一人死に悲壮感を持ちすぎない。85:アドラー「楽観的というのは、「未来の出来事は必ず解決できると信じて『行動する』こと」不安なことを考えすぎて押しつぶされるのではなく、それを行動のきっかけにして好転させるのです。90:癌になってからの生存率が最も低いのは絶望してしまう人。病は気から、一喜一憂しすぎない。92:不治の病、これがこの患者の天寿だったのだろう。「たとえ治療しても、痛いとか苦しいとか嫌ですからね。死ぬ寸前まで笑顔でいたい。独身だからこんな判断が出来た。家族がいたら少しでも長くと抗がん剤を選んでいたと思います。でも、後悔はないです。自分の思い通りに人生を幕引きできるなんて幸せです」独身55で癌緩和ケア58他界。海外旅行時の医療保険、自動車、火災、地震は必要。一笑一若一怒一老。悩みに押しつぶされそうになっている人に「笑ってごらんなさい」。腹立たしい時こそ笑顔。発想の転換。後続車のアオリ→笑顔で譲る(相手はデートで急いでいるかも、事故に気おつけてデートを楽しんでいってらっしゃい)。自分の楽しい思い出を掘り出してみる。女性は愚痴というストレスを聴いても左右の脳に振り分けることができる(男は片方のみ)。女性は物事を感覚的漠然と捉える傾向があるため「なんとかなる気がする」と漠然とポジティブな反応をする。同病相哀れむ。
「断捨離」。一点豪華主義で節約ストレス発散。
自分の人生は自分のものだということを忘れない。自分と他人を比べなければ幸せでいられる。物事は表面的な部分だけで判断しない。愛する人と一緒に暮らしている(一人になりたい、気兼ねなく??したい。私から見れば自由な貴方はうらやましい)⇔独身。比べ過ぎない。他人の人生と自分の人生は別。自分の長所を書き出してみよう(字がうまいとよく褒められる。おしゃれだと思う。ラインで若い人たちとつながっている。一人旅が好きだ。腕立て100回楽勝)書くことが大切。そして繰り返し読み返す。自分の長所自慢を脳に刷り込み暗示をかける(スランプ脱出法の1つ、客観的に見ることで性格上の見直し店などもみえてくる)。お金では買えないもの思い出を残す。一休さんが死の間際弟子に与えた書簡「困った時にはこれを開けなさい」→いざ開けてみると「心配するな大丈夫何とかなる」と書いてあった。この力強い楽観主義、安心言葉、一言こそが素敵な遺産だった。困難を前にすると人は視野が狭くなるが、この言葉で道がひらけたのでは。「人生そこで終わりではないのだ」という教え。シニアの結婚のカタチはいろいろ。別居でたまに会う。一緒に過ごすのは週末だけ。特別な縛りもない。それでも私は結婚している。夫がいるという安心感が心の支えになる。同居には事前にルールを作っておく(テーブルのどの席、誰がどのタオル。改善もする)ルール作り時には徹底して話し合い「いやここは譲れない」「これだけは守って欲しい」「このくらは大目に見てほしい」率直な意見交換の機会は大切。同時に相手を思いやることはそれ以上に大切(おやよう、おやすみ、ありがとう。散歩に出かける時は、できれば行き先を言って、「何かついでに買ってくるものはない?」と一言)。いい意味で、見て見ぬふりをすることも大切(掃除や洗濯の方法は気に食わなくても目をつぶる)。
p194


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さんの書評2016/10/193いいね!

損をするのが、豊かになる一番の近道です。損なんて実は無いんです。

・自力→他力へ。人を信用していない人のところに人は助けに来ません。頑張るのを止めたら他力がどんどん入ってくる。私「が」やらなければの「が」は「我」。我を捨てる。
・第一段階:「たくさんのいいこと」を起こす方法(=やり方)ではなく、「たくさんのいいことがあった」と気づく(=あり方)、いいことはいつもやてきています。「まだ、足りない」ではだめ。
・第2段階:自分を認める。貴方は価値ある人。第3段階:欲しいもの「だけ」を受け取ろうとしない。ほしくないものも受け取る覚悟。第4段階:豊かさを受け取ったら出す。
・「お金基準」ではなく、好きか嫌いかで選ぶ。自分が本当に欲しかったものに気づくきっかけになる。値段は見ないで買う。「好き物を選べる自由」を行使すれば、お金に対する執着や恐怖心はなくなる。
・楽しむためにがんばってお金を貯めない。元々持っている才能はどうなるのか?
・罪悪感を解消して親の支配下から自由になる2つの方法①「母親は幸せだった」と言ってみる。罪悪感は「親に嫌われたくない」「期待に応えたい」という思いからやってくる。②親に「クソババア」と3回言ってみる。(反抗期のやり直し)世間や人の目が気になって、やりたいことができなかったり、自分を認められないと感じるのは「親の目」を気にしている証拠。そんなものは必要ない。「いい子」でいる必要はない。もう大人。自分で決める。
・自分を「すこい」ということを恥ずかしがらない。恥ずかしいと思っているうちは、まだ「すねて」「いじけて」いるということ。自分でまず自分のことを分かってあげて、凄いんだと思うこと。
・「助けて」と言えない人は、助けてもらったらお返しをしないといけないと思っている。それは助けてもらう価値が自分にはないと思っているから、山ほど返さないといけないと思っているから。でも凄いと認めれば、助けてもらえるくらい価値があるんだから、助けてもらいっぱなしでも『ありがとう』というだけで助けた人たちに喜ばせることが出来る。と思えます。
・損をするのが、豊かになる一番の近道です。損なんて実は無いんです。損をすれば豊かさが返ってくる。お金も空気も愛情も出せば回る。

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さんの書評2016/10/01

【宮さんは一本の映画で連載漫画をやってんだよ】

【宮さんは一本の映画で連載漫画をやってんだよ】

この本の著者である川上量生は、ジブリのプロデューサー鈴木敏夫の付き人だった人です。著者はこの本を書く意義を、自分がジブリで学んだことを残すための卒業論文だと述べています。

宮崎駿がなぜ天才と呼ばれるのかという著者の疑問に対して、ジブリの関係者が各々の立場で答えを出しています。

"天才とは自分のビジョンを表現してコンテンツを作るときに、どんなものが実際に出来るかをシュミレーションできる能力を持っている人である。” (p216)宮崎吾朗

"脳が認識して、受け取った情報のまま紙に写しているので、それが結果的に脳が理解しやすい形になるというのが宮崎駿の秘密だと思います” (p52)庵野監督

"宮さんは1本の映画で連載漫画をやってんだよ”(p142)鈴木敏夫

「脳の中のイメージの模倣」が魅力あるコンテンツを作るための能力だと著者は言います。宮崎駿はその能力を持った天才なのです。

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さんの書評2016/09/30

最終巻も気になります!

タラ・ダンカンは金髪の美少女で友達も多いです。
このお話には、恋愛、友情、心の成長などすべてが詰まったお話です。
タラ・ダンカンは人間なのですが、ある日、自分が魔術師だということに気づきます。
そこから、別世界(オートルモンド)に移り住み、同じ魔術師の仲間たちと魔法ギャング団を結成し、
宿敵、マジスターとの闘いや、マジスターに幼いころさらわれ、育てられたタラの兄弟達とのすれ違い。
黒い女王の侵略、そして、ロバン、カルとの恋愛、このたくさん出てきた、タラ・ダンカンシリーズの中ではこれまで、
たくさんのことがありました。時には大切なひとを失い、出会い、慰められ、そうした出来事のなかで、タラ達、
魔法ギャング団は成長し、助け合うことを学びます。
仮面をかぶった宿敵、マジスターの正体は?そして壊れかけていた恋愛は再出発点に立つのか、
友情を守り続けられるのか、最終巻の上下は一字一句見逃さずに読めば、文字の先に隠されたものが
見えるかもしれません。

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さんの書評2016/09/23

買うという行為とは何か

88:お客様が犠牲にするであろうことを発見し、それを減らすことを忘れない。ランチは、時間という犠牲を減らすことで価値を提供する。カロリーを犠牲にするお客が多いなら「ヘルシー野菜弁当」『価値=利益/犠牲』利益(分母)を大きくして、犠牲(分母)を小さくする。
102:馴染みのお客に対して、アップセル(いつもの商品より上位の商品のものへ移行してもらうこ)「コーヒー→カプチーノ」。クロスセル(いつも買う商品にお客が欲しそうな物を組み合わせて購入していただく「コーヒーと一緒にサンドイッチはいかがですか」
105:お店の2~3階がVIPルームでそこで、夕方くらいからWINを飲みながら上顧客とお話する。新しい飲食店や老舗の新メニュー、限定ワインの堪能。」すると買える頃には「あなたのお時間をこんなに使わせてしまって悪かったわ」と靴や服を買う。売り込むひつよう
118:強みを絞って表現すると他のお客様が来なくなりそうで不安。しかしその前段階でお客様の記憶に残らなければ意味がない、「想起されなけ意味がない」
名刺に、「女性を集客したい飲食店専門の税理士」と絞る。「とにかくメロンパンが美味しい」
「何を」「誰に」を絞るそしてどうやってを考える自社だけの価値を1つに絞って伝える。
132:人が物を書く時の6つのプロセスとその対応、134目を引くチラシ

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さんの書評2016/08/181いいね!

建築とはなんだろう



■ニューラルネットワーク

近くのものと遠くのものが
神経(シナプス)のように繋がる関係性。
構造的、建築的な情報の繋げ方やまとめ方ではなく、
ゆるやかな、曖昧性を含ませたまとまり。
イマドキ、今の時代にあった考え方であり
建築、ランドスケープデザインを考える上でも、
こういう繋がりが取り入れられていることに驚いた。
一方でとても自然に理解できたのはインターネットという
ニューラルネットワークが生活や考え方に根付いてしまっているからこそ。
池や湖と建築を考えるプロジェクトでは、
このシナプス性が顕著に見られて分かりやすかった。

■空間や時間のあいまいさ

自分の、
建築というものそのものの概念が崩れ落ちる衝撃。
でもやっぱりすんなりと受け入れられるのは
「建築を環境ととらえる」というこの言葉があったからこそで、
どの作品(と言っていいのか?)も
植物、動物、人、河、空気、空、風、光、時間、流れ(スピード)など
私たちをとりまく「環境」を
その時々の条件や、こうありたいという願望の元に
その場所がその場所でこれからも在り続ける未来がちゃんと在りながらも
今とは確実に違う新しい・・・環境としての空間がどれも提示されている。

スケッチや写真を見ただけで
そこがとても気持ちの良い場所だということが容易に想像できる。
空気が通っていて、そこにいる生き物が呼吸している様子が分かる。
スケッチに入らない、その周りの環境、
家なら、そのお隣の家だったり、向かいの道路だったり。
そういう描かけない外側がシームレスに想像できるのは
「ゆるやかな、あいまいな」「外側なのか、内側なのか」なるべく分からなく
徹底的に考え抜かれた美学というか、自然学というか
そういう一徹貫かれている考えがあるからこそだろう。

■住まいのすまいかた

実際には「森と別荘のある家」のように21階建てなのに階段しかない家に住むことを想像すると
老後は・・・とか考えてしまうけれど。
一方で、わくわくするのは
そういう「生きる」だとか「住まう」だとかの不自由さは嫌いじゃないからだろう。
洗濯機の無い生活は洗濯に1時間はかかってしまい
不自由なのかもしれないけれど
浴槽に水を張ってかき回してみたり
裸足になって浴槽に自分も入って
ぎゅっぎゅと服を踏んでみたり。
その足の裏の感触だったり、水の冷たさだったりが
何か今の自分の生きるのリズムを作ってくれている気もする。
家を借りるときに大事なのは
日当たりと、住んでいることがすんなり想像できるということだけで
あとは家に合わせてくらしてゆく。

家を環境ととらえてみると
この住まい方もしっくりくるし、
いずれマイノリティでなくなるのかもしれないなぁ。
そんな事を思った。

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さんの書評2016/05/21

第一級殺人弁護

中嶋博行氏の「司法戦争」を読んで中嶋さんにはまりましたが、その一環として買ったこの本は中嶋さんの本の中で一番お気に入りです。弁護士、というと対外小説では悪徳弁護士が登場し、悪いイメージしかないのですが、この本の弁護士はそんな要素を一つも含んでいない、つまり豪邸に住んでいるわけでもないし威張り散らしているわけでもないし・・・どちらかというと僕たち一般のサラリーマンのような感じ。具体的には、毎月末にはリース料、家賃、事務員の給料と、支出が多いにもかかわらず毎日引き受けるのはお金にならないものばかり。普通、一番の収入減になる企業の「顧問」は、たった一つ、そしてそれは同級生だった人が作った正体不明の会社。顧問料は毎月気が向いたときに少額払われるだけ。お金にならない事件には首を突っ込まないでおこうと意識しているにもかかわらず、京森弁護士の優しさや正義感からいつもやってしまう。そんな一般人に近く親しみの持ちやすい主人公京森弁護士は、「不法在留」・・・不法在留者として捕まった中国籍のガクと接見した京森は、彼から未払い賃金の取り立てを頼まれる。が、京森が相手方の専務と話した直後ガクが殺されてしまい…
「措置入院」・・・市の清掃職員を突き飛ばし殺害した岡野と接見した京森だが、彼の話は支離滅裂。調べてみれば岡野は精神病棟からの脱走者だった…
「鑑定証拠」・・・殺人罪で起訴され自白した村岡。ハメられた上、自白も強要され自身は無実だと主張する。資産家の父親は死期にあり弟は何やら画策しているようで…
とてもすっきりした。この中で一番のお気に入り。
「民事暴力」・・・銀行の支店長から面会を求められ、大口の仕事かと浮かれる京森だったが、その支店長が殺されてしまい…
「犯罪被害」・・・抵当物件の占有屋と立退料を支払うことで交渉成立させた京森。しかし占有屋が凄惨な死体となって発見され…
加害者は被害者となり、残された遺族は…

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さんの書評2016/05/171いいね!

にんげんへ

時計 弁当箱 靴 鍵 ワンピース・・・・・
持ち主を失って 自分の役目が果たせなくなったオブジェが戸惑いながら発するモノローグの数々。
はっとするほど美しい紫のワンピース、これが本当に閃光をくぐりぬけたのだろうか?「贅沢は敵」のあの時代、もんぺの下に密かにしていたおしゃれ。いつの時代も人の心は同じなんだ。非常時とはいえ、人々は市井の営みをしていた。「リトルボーイ」が炸裂して現われたキノコ雲、その時ひとつひとつのかけがえのない物語が断ち切られた。
「おはようございますおはようございます」「いらっしゃいませいらっしゃいませ」
無邪気に繰り返す呼びかけがむなしさを一層喚起する。
作者は広島で「ピカドン」という名を知ったという。科学的な学術名でもなく、正式な名称でもない「ピカドン」。そこから人々の息遣いを感じ取った作者が織りなした「さがしています」。感じてほしい。残されたオブジェが人間に叫んでいる。人間として感じてほしい。アメリカ人も日本人も人間として。

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