さんのコメント2018/06/17

食品物理学、という聞きなれない分野の研究を紹介したもの。 チョコレートを美味しく食べるには、味はもちろんだが、口に入れるとすみやかに溶ける食感=テクスチャ―も非常に大切で、これを決めているのがカカオバターの結晶構造。しかし油脂の分子は非常に小さいので顕微鏡では観察することができない。そこで中性子やX線を油脂にぶつけて、そのときにできる陰(回折格子)を分析することで構造を研究しているそうだ。 かの有名な「Spring8」も使っているそうで、なるほど、食品と物理学はそういうところでつながっているのか、と納得。 食品の油脂としてはほかにマヨネーズとマーガリンも取り上げられている。 身近な食品だけに、食味のよい製品を作るためにメーカーや研究者がどのように取り組んでいるのかがよくわかり、たいへん興味深く読んだ。

共有する: