紹介
治療の場合に,短期を目指さないのはありえない。
だって,辛い状態から一日でも早く脱せないと可哀想でしょ?
万年 東大医学部助教にして元役者,ブリーフセラピー系心理士にして吉祥寺に日本全国から人が集まるKIDSカウンセリングシステムを立ち上げた森俊夫 は,2015年3月に57歳で永眠した。自らの死を知った森は,心理療法に関する自分なりの考えを残したいと考え,盟友 黒沢幸子を聴き手に,心理療法や対人援助に関する本質について話を始める。
ミルトン・エリクソン,ソリューション・フォーカスト・アプ ローチ,森流気質論など独特のアイデアと感性で,最良の効果的なセラピーを実践できた要因は何か。治癒率95%,平均治療回数2.0回以下という驚異的な 臨床センスをもつ森俊夫の心理面接のエッセンスを語る,ユーモアと真剣さに満ちた一冊。
目次
第1章 ブリーフセラピーにおける演劇の利用
I 発想/II 観察/III 治療の演出
第2章 心理療法の本質に迫るキーワード
1 KIDS/2 サイコセラピーとその評価/3 コミュニティ臨床/コミュニティ・サービスとしての医療・福祉・心理・教育/研修業務の開業をする/心理療法と金
第3章 ミルトン・エリクソンとブリーフセラピー
エリクソン・クラブ/精神分析からブリーフへ/ヘイリーの『戦略的心理療法』とエリクソン/エポックメイキングとなったケース
第4章 ソリューションを語る
セラピストになるまで/ソリューション(解決志向)の話/それでもソリューション/未来時間/3つの水準
第5章 心理療法の本質について
治療とカウンセリング/治療構造/面接間隔/治療の終わり/初回面接
第6章 森先生にいろいろと聞いてみる
外在化について/インカムとコストについて/センター構想/ひっかける言葉/外在化のコツ/森臨床の陪席経験から/未来時間のイメージをつくる/ソリューションを広げる/残しておくといいもの/自分を鍛える
ほか