目次
Ⅰ 知られざる郷土史を掘る
備中松山藩山田方谷の財政改革のあいまいさと大河ドラマ署名運動
方谷を正しく理解するために再び問う
岡山県立博物館「山田方谷展」に思う
「ロンドン海軍軍縮条約調印は統帥権干犯」と浜口雄幸内閣を糾弾した犬養木堂の短慮
憲政の神様犬養木堂の虚像と実像
幕末「花燃ゆ」のころ、老中首座阿部正弘と同板倉勝静の危機対応
Ⅱ 歴史の行間を読む
国宝赤韋威鎧に桜ロマンを想う
岡崎嘉平太と日本海海戦の功労者藤井較一海軍大将
富岡製糸場の1年半後に操業した笠岡製糸場の盛衰
群馬・富岡製糸場と岡山のかかわり
正宗白鳥と内村鑑三のキリスト教信仰の接点と軽井沢
新居浜・別子銅山と備中吉岡銅山の奇縁
Ⅲ 岡山のうちそとを歩く
大河ドラマ「軍師官兵衛」の上月城の戦いと尼子家武将山中鹿介の悲劇
「軍師官兵衛」と天空の城・竹田城
「軍師官兵衛」と高松城水攻めの前哨戦冠山の激戦
岐阜・高山の野麦峠で女工哀史の悲劇を探る
岡山・瀬戸ゆかりの小説家中河与一と小田原
あとがきに代えて―山田方谷を正しく理解しよう
前書きなど
『傘寿だ!まだ書くぞ おかやま雑学ノート』第12集をお届けする。
本書は毎週FMラジオ2局で話した内容をまとめ、年1回『雑学ノート』シリーズとして刊行しているものだ。
「くらしきエフエム」でのトークは平成15年4月以来13年目、「岡山エフエム」は8年目に入った。
12集には昨年4月から今年3月までの放送分を収めた。
68歳の時、ボランティアとしてラジオ出演するようになった。マスメディアが取り上げない郷土史の掘り起こしを中心に話しているせいか、リスナーにはよく耳を傾けていただき、読者も年々増加傾向にある。多数のリスナー、愛読者、ラジオ局、出版社のみなさんのご尽力のおかげと、いつも感謝の気持ちでいっぱいだ。
私は昨年9月傘寿を迎えた。年相応に体力の衰えは感じるが極めて健康、知的好奇心も相変わらず旺盛だ。好々爺には程遠く耄碌(もうろく)もせず、新聞社時代に叩き込まれた「真実の追及」をかたくなに守り、取材と執筆を続けている。“老いの一徹”もある。