目次
第1部 第1章 音の氾濫、反乱の音──大衆音楽の両義性 アシッド・キャピタリズム/商品化される文化と複製芸術の可能性/大衆音楽の可能性の根拠/パラマーケットの仕掛け 第2章 パラマーケットの影──飼育されるロックの仕組み 企業文化のなかのロック/商品化批判とその限界/パラマーケットの非貨幣的な文化幻想/解体する自立的サブカルチャー/文化の形式的な受容とサブカルチャーの制度化 第3章 ノイズと権力──コード化する力 アシッド・キャピタリズムのジャンキー/快楽とカテゴリー産出としての権力/アヴァンギャルドからパンクへ/ロックに反対するロック/「ノイズ」の可能性/ノイズとしてのノイズ/解体するノイズ?/ポスト・インダストリアルにおける金属と電子の融合/メジャーのなかのノイズ第2部 第4章 支配的文化と逸脱する表現行為 文化のオートノミーと文化のポリティクス/八〇年代のアメリカのアートシーン/アメリカ合衆国における検閲のコンテクスト/セラーノ「ピス・クライスト」/ロバート・メイプルソープとホモセクシュアルの表現/フランチェスコ・トレスとファイン・アートの脱構築/逸脱するアート/挑発する性と身体/権威への挑戦/象徴を超える批判の表現 第5章 不快という快楽──天皇と性をめぐる権力表現 「聖」を支える性の権力表現/保守派/権力の批判の言説/天皇のコンテクストと解釈の絶対性/対抗的な選択肢の課題/「日本人」というフィクションの具体物としての天皇/「裸体」と「裸女」/性差別としての不快と権力の「不快」/不快の位相差/社会関係の変革という課題と表現行為 第6章 社会に介入するアート──シチュアシオニストの実験とボイスの「社会彫刻」 意識および意味の危機/芸術の拡張/シチュアシオニストの実験──早すぎたポストモダン・アヴァンギャルド/ポストISにおけるシチュアシオニズム第3部 第7章 パラマーケット論 はじめに/「スペクタクル」としての消費/日常生活批判から記号支配批判へ/市場システムと情報/パラマーケットの分離と市場システムの傾向的機能低下/パラマーケットにおける水平と垂直/おわりに 第8章 アシッド・キャピタリズムと身体搾取──市場の終焉とパラマーケットの増殖 はじめに/近代社会が労働を基礎として成立した理由/物的労働からコミュニケイション労働へ/なぜ脱工業化=情報化の方向を選択したのかあとがき図版出典一覧表